良いプロンプトとダメなプロンプトの7つの違い

良いプロンプトとダメなプロンプトを7つの視点で整理

視点良いプロンプトダメなプロンプト
1. 目的の明確さ「採用サイト向けに、エントリー数を増やすコピーを3案出して」「キャッチコピーください」
2. 前提・文脈「当社はBtoB SaaS。顧客は人事担当者。既存コピーは…」文脈が一切ない
3. 具体性「150 文字以内・箇条書き・ポジティブな語調で」出力形式を指定しない
4. 論理構造「課題→原因→解決策の順で」並列で乱雑な指示
5. 制約・評価基準「重複語を避け、専門用語は3語以内」成果物の合否ラインが不明
6. 参照素材「下記URLの記事を要約し、要点3つに」参照先を示さない
7. フィードバック余地「初稿→修正→最終稿の3ステップで」一発勝負で完結

要点
良いプロンプトは「ゴール・背景・具体的な期待値」の三拍子を揃え、モデルの推論余地を“創造”に集中させることができます。

ダメなプロンプトは逆に「何を・誰に・どう出すか」をモデル任せにし、結果として不正確・冗長・期待外れになりやすい。

ダメなプロンプトは思ったような結果が出力されないため何度もやりとりをしてブラッシュアップをしていく形になります。これでも悪くはないのですが、「AIのプロ」としてはまだまだです。


具体例で比較

ケース:LP改善案を作らせたい

❌ ダメな例

LPを改善案を出して。

✅ 良い例

【目的】CTRを15%→25%へ引き上げる
【前提】商材:
商品:真空断熱ステンレスボトル(600 ml)
【ターゲット】
20–40代のアウトドア・健康志向層

【依頼内容】
1. ファーストビューの見出し案を5つ
2. 13字以内、ゴシック体想定
3. ポジティブ表現のみ、専門用語は2語以内
4. 出力形式:markdownの箇条書き

結果:訴求角度の異なる案が整理され、そのままABテストに使える品質で返ってきます。


良いプロンプトを作る5ステップ(テンプレ付)

  1. 目的を一文で宣言
    • 例:目的:〇〇を△△%改善するために…
    • 〇〇の部分はCTR、CVRなどKPIに関することを指定すること
    • △△の部分は現状を事実として記載することです。AIでも人間でも現状の数値がわからなければどれくらい改善が必要なのか判断できませんので、必ず数値を入れてください。現状の数値がわからなければ、時間をかけてでも測定することから始めてください。
  2. ターゲット・利用シーンを共有
    • ペルソナ、既存資産、制約条件など。
  3. アウトプット形式を指定
    • 文字数・トーン・フォーマット(JSON / 表 / 箇条書き など)。
  4. 評価基準・禁止事項を明示
    • KPI や「〜は避ける」「〜は必ず含める」。
  5. 改善ループを前提化
    • 「ドラフト→レビュー→リライト」のサイクルを組み込む。

テンプレ

【目的】
【背景/前提】
【ターゲット】
【依頼内容】
【制約・評価基準】
【出力形式】


以下は、真空断熱ステンレスボトル(600 ml)を題材にしたテンプレート例です。

【目的】
ECサイトの商品詳細ページでのCVRを3 % → 5 %に引き上げるため、ヒーローエリア用キャッチコピーを刷新する。

【背景/前提】
商材:真空断熱ステンレスボトル(600 ml)
USP:24時間保冷・12時間保温、BPAフリー、ワンプッシュ片手開閉、軽量275 g
現状:競合(サーモス・象印等)と差別化が弱く、離脱率 62 %
流入:リスティング広告 60 %、SNS 25 %、オウンドメディア 15 %
課題:ファーストビューの訴求が抽象的でメリットが伝わっていない

【ターゲット】
25〜45歳のビジネスパーソン&週末アウトドア層

性別比:男性55 %/女性45 %
インサイト:健康志向・サステナビリティ意識・“自分らしいミニマルギア”志向

【依頼内容】
キャッチコピー案を5つ作成
12文字以内(全角換算)、ゴシック体想定
ポジティブ語調・専門用語は1語以内
下記フォーマットでMarkdown箇条書きで出力

【制約・評価基準】
誇張表現(「奇跡」「魔法」など)は禁止
形容詞の重複禁止(例:同一案内で「軽い/軽量」両方を使わない)
KPI:ABテストで**既存コピー比 CTR+20 %**達成で合格

よくあるNGパターン

パターンなぜ問題か改善例
曖昧な形容詞
「カッコいいデザイン」
解釈が無数にあり、ブレる「ミニマルで白基調、余白を広く」
二重指示
「文字数は100字以内、でも詳しく」
要件が矛盾し判断できない優先順位を付けて明示
連続依頼の詰め込み一度に複数タスク → 浅い回答タスクを分割し順番に依頼

まとめ

  • 良いプロンプト=ビジネス要件とクリエイティブ要件を明示し、AIの思考リソースを“解決策の生成”に集中させる設計図。
  • ダメなプロンプト=意図の伝達コストをAI側に丸投げし、結果の質・再現性を下げてしまう指示。

プロンプトは“企画書”と同じ。書けば書くほど手間が増えるわけではなく、事前の5分が後工程の大幅な時短につながります。ぜひ上記テンプレをベースに、自社案件のプロンプトを磨き込んでみてください。

小長谷直登のイメージ
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小長谷直登
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