【CVR3倍事例】AIチャットボット VS AI非搭載のチャットボットの違い

CVR改善のためにチャットボット導入を考えている方へ、AI非搭載の普通のチャットボットとAIチャットボットの何が違うのか解説します。

チャットボットを導入する目的は何か

通常チャットボットを導入される目的は、CVRのために問い合わせフォームの上位互換として導入されます。または、アンケートフォームなどでは、ずらっと並んだアンケート項目を見て嫌気が指し離脱されないように、チャットによる会話形式でユーザーのストレスを減らすことで高いCVRにつながります。

AI非搭載のチャットボットの弱点

ですが、この通常のチャットボットにも弱点があります。

みなさんも一度は経験があると思います。銀行や証券会社のHPにあるチャットボットに質問しても結局知りたいことがわからずにイライラした経験はないでしょうか?

言葉を変えて何度も入力しても、知りたい答えが返ってこなかったり、見つけられなかったり。これではCVRが改善するはずがありません。

AI非搭載のチャットボットは回答の幅が狭い

通常のチャットボットにはあらかじめ想定された質問に対して、決められた回答しか返せないため、想定外の質問が来た時には、ずれた回答をしたり、テンプレートの回答をループすることがあります。

そのためユーザーは使いにくいと感じてストレスが溜まったり、離脱してしまったりするわけです。

一方でAIのチャットボットは、AIが質問の意図を読み取って、最適な回答を行います。

もちろん最適な回答のためにカスタマイズや学習は必要ですが、ユーザーから見ると質問に対して回答の正確性が高く、これがビジネスのKPIである問い合わせ、商談申し込み、資料請求につながります。

AI非搭載のチャットボットとAIチャットボットの比較表

特徴 普通のチャットボット AIチャットボット
対応範囲 事前に設定されたシナリオのみ 自由入力・文脈理解で柔軟対応
ユーザー体験(UX) 機械的で事務的 自然な対話で心理的ハードルを低減
改善・学習 シナリオの手動調整が必須 会話ログをAIが分析し自動最適化
離脱防止 限定的な課題対応 複雑な質問にも回答し、継続誘導
パーソナライズ 属性ごとのシナリオ分岐のみ 会話履歴を踏まえた個別最適化

AIチャットボットでCVRが上がった3つの事例

以下の3例は、いずれもAIチャットボット導入後にCVR・売上が劇的に向上した実績です。

企業名 業種 結果 出典
さくらフォレスト株式会社 通販 CVR +7%
定期購入転換率 +8%
株式会社ジーニー
株式会社Nint BtoB 新規顧客CVR2~3倍改善 ChatPlus
株式会社JAMSHOPPING ECサイト CVR 3倍
離脱率 70%改善
PR TIMES

CVRが3倍になるとROIも3倍

もしCVRが事例のように3倍になると広告費は変わらず、売上だけが3倍になるため、ROI(売上÷費用)も3倍に跳ね上がります。CVR改善は費用対効果に直結すると言えます。

パラメータ
訪問者数(N) 1,000人
1訪問あたり広告費(CPC) ¥100
広告費合計 ¥100 × 1,000=¥100,000
平均購入単価(AOV) ¥10,000
指標 計算式 ROI(売上÷広告費) ROI改善率
導入前(2%) 売上=1,000 × 0.02 × 10,000 ¥200,000 200,000÷100,000=2(200%)
導入後(6%) 売上=1,000 × 0.06 × 10,000 ¥600,000 600,000÷100,000=6(600%) +400pt
(6−2=4→400%)
改善倍率 ROI_new ÷ ROI_old = 6 ÷ 2 3倍 +200%

なぜここまで変わるのか?

  1. 人の感覚に近い考えと言葉で迷いを解消するから
    ユーザーの曖昧な質問にも適切に答え、“何を入力すればいいか”の壁を取り払います。
  2. ユーザーそれぞれに最適化されるから
    会話履歴から興味・ニーズを把握し、最適なタイミングで次のステップ(LINE登録や資料請求)へ誘導できます。
  3. AIがログ解析してPDCAを高速化するから
    どのフローで離脱したか、何が刺さったかをAIが可視化し、短期間で最適な会話シナリオを自動改善します。

AIチャットボット導入でCVRを向上させるポイント

AIチャットボットを導入する際に、CVR向上のために押さえておくべきポイントをご紹介します。

1. 離脱率の分析とAIチャットボットの適切な設置

離脱予防したい箇所に設置する

いくらAIチャットボットを導入しても、コンバージョンにつながらないと意味がありません。そのためには、ユーザーが疑問に問い合わせまでの間でつまづくポイントを押さえて、設置する必要があります。

ユーザーが離脱ベストなタイミングで手助けをするようにAIチャットボットを設置することがCVR改善につながるコツです。

よくある質問ページに設置する

よくある質問が充実し過ぎているとユーザーは、自分で探すのをあきらめてしまい離脱につながる場合があります。そこでAIチャットボットが、手を差し伸べてあげるとユーザーは疑問が解消してコンバージョンにつながります。

2. ユーザーニーズに合わせた情報提供

ユーザーに回答する情報量を調整する

ユーザーは情報過多や情報不足するとコンバージョン低下につながります。AIチャットボットはユーザーの質問や行動から意図を理解し、必要な情報を的確に提供することができますが、構築したらAI任せに放置するのではなく、ユーザーの離脱率やチャットボットからのコンバージョン率を見ながら調整する必要があります。

3. 信頼性の向上によるユーザー不安の解消

サイトの情報をAIの情報を一致させる

Webサイトに掲載されている情報とAIの回答がずれているとユーザーの不信感にもつながり、CVRを低下につながります。必ずサイトの情報とAIの情報は一致させる必要があります。サイトを更新したものの、AIの情報が古くなっていたということがないようにメンテナンスも必要です。

AIチャットボットのメリット

  • 普通のチャットボットでは救えないユーザーの「迷い」「不安」を解消できる
  • 一度会話を開始すれば、離脱率が大幅に低減
  • CVR・問い合わせ数・売上が短期で飛躍的にアップ

AIチャットボットのデメリット

AIチャットボットを導入する際の主なデメリットを、従来の普通のチャットボットと比較です。

項目 AIチャットボットのデメリット
導入コスト
運用コスト
•API利用料やモデル更新料の運用コスト
•サーバー/GPUリソースの追加が必要
•継続的なチューニング・学習データ準備の工数
応答の信頼性
•誤った情報を返答するリスク
•重要/業務クリティカルな質問では検証工数が増大
プライバシー
セキュリティ
•外部API連携時のデータ送信・保存先がブラックボックス化
•個人情報・機密情報の取り扱いに慎重な対応が必要
制御性
カスタマイズ性
•応答フローの完全制御が難しい
•ブランドトーンやガイドライン遵守のチューニングが複雑
応答速度 •モデル呼び出しに時間がかかる場合がある
•リアルタイム性を重視するシナリオには不向き
専門知識の要否 •モデル選定の知識
•プロンプト設計に知識が必要
•社内リソースや外部パートナーの確保

デメリットへの対策例

  1. ハイブリッド運用
    ルールベースで必須フローを担保し、AIには補足回答を担当させる
  2. 出力検証フィルタの導入
    重要情報は一度バックエンドで検証・サニタイズしてから返答させる
  3. キャッシュ・プリフェッチ
    高頻度問い合わせはキャッシュ応答でレイテンシを抑制する
  4. ログ+モニタリング体制
    AI応答ログを監視し、誤答や偏りを早期に発見・修正する
  5. 段階的導入・PoC実施
    小規模・限定シナリオで効果とリスクを検証してから本格展開

AIチャットボットは強力なCVツールですが、導入要件や運用体制をしっかり整えたうえで活用することで、その真価を発揮します。AIを育てるのも人を育てるのも近い考え方が必要です。

ぜひ上記メリット・デメリットを踏まえて最適なチャットボット戦略を検討してください。

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